どうしても個人情報が入っているものを
ふつうのごみ箱に捨てるということが納
得できない。
スマホって個人情報の宝庫だぞ。
多分、いまのスマホは最低でも生活防水
になっているはずだから、洗って保管で
きたはずじゃないか。
それを捨てさせることに納得できない。
そんな規則があるとは思えないけど、こ
の時間は他の駅員さんがいないので確認
しようがないんです。
いま自分にできることはないのか。
するとラッキーなことが起こりました。
たちの悪そうな泥酔客が、切符やスイカ
なんかを持っていないのに改札を通れな
いと、その駅員さんにしつこくからみ始
めたんです。
これはチャンス!
本当は、すぐトラブル対応をするのです
が、さっきのごみ箱に向かいます。
時間がたっていないため、まだごみの中
にiPhoneがありました。
僕の、裏返して脱いだゴム手袋の中に包
まれたままで。
駅員さんがこっちを見ていないことを確
認してからゴム手袋ごとごみの中から拾
い、コートのポケットへ入れました。
最終電車の到着までまだ15分ほどあっ
たので、そのままトイレへ向かいます。
洗面所でスマホの上2/3をザっと水で流
して嘔吐物を落とし、充電端子のところ
にちぎったゴム手袋を詰めて、スマホ全
体を水で洗います。
まだ匂いが取れないので、それを5回繰
り返しました。
そしてトイレットペーパーで全体を拭
き、水滴を全部取ってから手を何度も洗
って、スマホをビニール袋に入れ自分の
コートのポケットへ。
終電後、業務が終わって着替えてから、
駅前の交番へ行きます。
スマホを拾った電車の時間を伝えて、習
得の経緯を説明。
ただ、一般のお客さんとしてです。
手続きに20分ほどかかってから帰宅。
家に帰るのが少し遅くなったけど、なん
か割り切れないモヤモヤした気持ちを持
ったままで帰るよりは、よっぽどいい。
いくら汚れているとはいっても、他人の
スマホをごみ箱に捨てるなんてことは、
やっぱり僕にはできません。
今後は、先に洗ってアルコール消毒をし
て駅員さんに渡すことにしました。