yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

春のパン祭りではない(春のパン祭りではない①/④(不動産百話②))

 

その日の午前、信託銀行の窓口から連絡

があり、目黒区で自宅売却を考えている

Fさんというお客さんがいるので、アポイ

ントを取って訪問してほしいとのこと。

 

当時の僕は、3大都市銀行グループの不

動産会社Y支店のセクション・チーフ。

 

銀行情報は、自分が担当している支店、

グループ信託銀行、そして提携している

信用金庫から上がってくるものが中心。

 

その信託銀行から、お客さん宅の訪問時

に一つお願いがありました。

そのお願いとは、信託銀行の支店不動産

課の新人を同行させて現場の勉強をさせ

てほしいとのこと。

珍しいなと思いながら、応諾。

 

信託銀行員が同行するということは、基

本的に「平日にアポを取れ」ということ

です。

そういったことが分かっていないと、不

動産情報が自分に来なくなります。

銀行員が何を考えているのか、何を求め

ているのかに気を配り、先を読む。

 

そして、お願いに対して「NO」はありま

せん。

断れば、そこで終わります。

 

売却希望、つまり査定物件の登記情報や

近隣売買事例、路線価格、基準地価、道

路関係なんかを事前に調べて、おおよそ

の価格を把握していく。

 

土地の大きさは50坪ぐらいで取引しや

すい、ニーズのある大きさです。

場所も良い。

建物は建築後30年ぐらいなので、状況

によっては評価が出ないかもしれない。

 

何か他にアピールできることがないかと

調べていると、近くにタモリさんの家が

ありました。

そういえばこの辺りだったな。

何度か通りかかったことがあります。

立派な家で、知らなくても何か仕事で成

功している人なのかな、と思うような佇

まいです。

 

以前タモリさんがテレビで、

「こんなに売れているのに、家を買おう

と思ったら、銀行の住宅ローンが10年

しか組めなかった。おかげで毎月の住宅

ローンを300万円返している」と話し

ていました。

 

また、〇〇サスペンスなんかに出ている

女優さんも目黒在住のお客さん。

年収が3000万円あるけれど、やはり

住宅ローンが長く組めないので、返済率

からローン審査が通らない。

信託銀行に言わせると、年収5000万

円が必要とのこと。

 

頷いたまま、銀行員と同席していた僕に

は何も言わず、ニコっとして帰って行っ

た翌年、年収5000万円の収入証明を

持って来行しました。

 

 

たしかにあの後、ドラマやバラエティー

にたくさん出ていた。舞台も。

芸能人って凄いな、と思った瞬間の一つ

です。