yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

桜とともに成長します(私たちは桜です③/④(不動産百話③))

 

奥さん、

「この部屋を買ったのは、ベランダから

見える桜が一番きれいに感じられる部屋

だったからなんです」

「でも桜が成長してしまって、今では上

の部屋のほうが桜がきれいに見られるは

ずです」

 

(それ? 理由ってそれなの?)

 

ご主人、

「そういった意味では、私たちにはもう

この部屋に住む意味が無いんです」

「きれいな桜を見るために、部屋を買い

替えたいと考えています」

「301号室の方が、売りに出している

条件を全部承諾しますので、いまここで

申し込みさせてください」

「私たちは桜とともに成長します」

 

僕は、何か迷言が出たぞと思いながら、

「お部屋の中を見ていないので、内見の

アポイントをとりましょうか」

 

ご主人、

「いいえ結構です。フルリフォームする

つもりですし、まったく同じ間取りです

から見なくても分かります」

 

ということで、不動産購入申し込み書に

記名と捺印をしてもらいます。

金額は売り出し価格の 4800万円。

現金払い。手付金480万円。

引き渡しは、契約から3ヶ月後です。

 

お客さんがFAXを持っていたので、それ

を借りて申し込み書を送信します。

売主仲介業の担当者に電話。

「内見してなくていいんですか?」

当然それを聞かれる。

事情を説明して(ちょっと桜の話辺りを

伏せて)物件を押さえてもらう。

 

帰り道で気が付いたのですが、二人の目

線が僕に向かってなかったのは、僕の後

ろの桜を見ていたためです。

会社に戻ってから、再度売主仲介担当者

に連絡して、もう少し詰めた話をする。

 

今回のお客さんは、信託銀行のプライベ

ートバンカーが担当する富裕層のお客さ

んだったので、詳細の報告に行きます。

こういった報告は、信託銀行の担当者に

はすぐ報告に行かなければいけない。

報告が遅いと、ずーーーーーっと文句と

嫌味を言われます。

 

このとき、信託銀行のプライベートバン

カーが担当する基準は、個人金融資産を

5000万円以上持っているかどうか。

そして、不動産を所有しているのか。

 

 

例えば金融資産が 5000万円で、そ

れがすべて預金だとします。

すると、今回のマンション購入契約で、

一時的に預金が全部引き出されることに

なります。

ちょっと心配です。