yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

不審な査定依頼(不審な査定依頼①/②(不動産百話④)

 

これもかなり昔の話です。

不動産仲介を始めたばかりのころ。

せっかく大手鉄道系不動産会社に入社し

たのに、小さな仲介会社に出向になって

しまった。

 

不動産フルコミ営業系のところでも書い

たのですが、まだ不動産の知識がないの

で汗をかく営業しかできないと思って、

1日5000枚も「売却物件求む!」の

チラシを、マンションの集合メールボッ

クスに投函し続けた。

31日間連続で1日も休まずに。

もう一人の同じ年の営業マンと一緒に、

運転を交代しながらです。

二人合わせて、1日1万枚のチラシを投

函し続けました。

 

スタートは田園調布。朝8時。

そこから東横線沿いに南下していき、最

後は鎌倉市大船で終わる。

会社に戻るころは、夜の11時を過ぎて

います。

その結果、二人で27件の媒介(不動産

売却依頼)が取れました。

 

その反響(売却問合せ)に、中年男性の

お客さんがいました。

新横浜にある、築6年のタイル貼りマン

ションを売却したいとのこと。

5階建ての4階部分。

バルコニーが南向きで遮るものがないの

で、日当たりが良さそうです。

 

高校を出たばかりの新卒の男性営業が、

勉強のためについて行きたいと言ったの

で、同行させることにしました。

 

反響の内容で少し不思議だったのは、そ

のお客さんからの時間指定。

自分はいつでも都合がつくから、自宅に

いる奥さんに連絡して訪問時間を決めて

ほしいとのこと。

そしてもう一度こっちに連絡するから、

その時間を教えてというお願い。

 

(自分で奥さんに電話して、時間を決め

たほうが早くないか?)

 

ま~せっかくの反響だし良しとしよう。

近隣マンションの成約事例や売り出し事

例を取って、事前にざっくりとした価格

から絞っていく。

奥さんに電話をすると、ちょっと驚いた

感じだったんですが、翌日の午後1時に

訪問することになりました。

 

当日マンションに着くと、エントランス

に小柄な男性がいる。お客さんでした。

一緒に部屋の前まで来ると、チャイムを

押して、なぜか僕の後ろに隠れます。

 

ゆっくりと部屋の扉が開くと、怪訝そう

な顔をした奥さんの後ろに、数人の男と

警察官がいました。

 

 

「お前はなにをやってるんだー!!」

怒声が響きます。

驚いた僕らは唖然としている。

(ど、ど、どういうこと?)