yururi-furu’s blog

ゆるりと続けるフルコミ営業

富士山さんぽ ⑧/⑪

 

ところでちょっと気になることが。

 

5合目の駐車場に着いたときから、どこ

からか和太鼓のような大きな音が響いて

きます。ドーーーン、ドーーーンと。

初めは工事の音だと思っていました。

でもこんな標高の高い場所で、あんなに

大きな音のする工事をするはずがない。

そして、第一火口底に着いたときに気が

ついた。

それは雲海の中からの、雷の音でした。

 

雷は、普通に地上にいるときには

「ガラガラッドッシャーン」みたいな、

いかにもという音がしますが、雲の上に

いると違う音、和太鼓を叩くような音に

変わるみたいです。

もしかしたら、雲の中だけで起きて地上

には落ちない「雲間放電」の音だからか

もしれません。

どうりで雷様の絵は太鼓を背負っていま

す。昔の人は経験で、この音を知ってい

たのかもしれない。


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①第一火口底の標識  

②火口底から見た宝永山(中央右上)

③完全に息切れしている自分

 

火口底から始まった宝永山への最期の道

は、傾斜が 30°以上ある急坂。そして厚

く積もった火山灰があり、歩くたびに滑

ります。

普通の人の歩幅は平均 70cmぐらいです

が、ここではその半分も進まず、更に歩

くたびに滑って戻される。酸素も薄いた

めにすぐ息も切れてしまいます。

また疲れて立ち止まると、その途端に足

元の火山灰が崩れて、進んだ分以上も下

に戻されてしまったりしました。

たった 10mほど先にもなかなかたどり

着けないので

(こんなところには来なきゃよかった)

(登るのやめて帰ろうかな)とそんなこ

とばかり考えていた。

 

そのタイミングで弟からの LINE。

富士山は登山者が多いので、基本的には

スマホが通じます。

「トレッキングポール持ってきたよね」

実はここに来る前に弟から、必ず持って

いくように言われていました。

トレッキングポールはアルミやカーボン

でできた杖。これがあるとまるで 4足歩

行しているようで、かなり楽みたい。

 

 

しかし僕は、なんとかなると思ってそれ

を買っていませんでした。

でもこのレベルになると、持っていたほ

うが絶対にいい。滑りにくくなるし、歩

を進めてくれる大きな助けになります。

 

ここで思い出したのが弟の言葉。

「富士山さんぽをゆっくり楽しんで」

 

あれはこういった意味だったのか!