いいことばかりのような臍帯血移植。で
はなぜ最初に、骨髄移植を勧められるの
でしょうか。
それは、急性白血病の最終治療としては
最も古く、確立されたものだからです。
技術として昔からあるということは、症
例が多く移植後が予測しやすい。それに
より対応の早さや正確性に繋がるはず。
更に大きなポイントは、生着率が高いと
ころ。生着とは、移植した造血幹細胞が
体に住みついて、新しい血液を作りだす
こと。
拒絶反応やGVHDがあったり、それが何
らかの理由で住みつかないで終わったら
再度移植をしなければならない。そのリ
スクが、骨髄移植では低いんです。
ここで整理してみると、次のようです。
(骨髄移植)
・古くからあり、確率された治療法
・生着率が高い
・再発の可能性が少ない
・適合ドナーの数が少ない
(ドナーの都合で、予定が組みにくい)
・合併症が多く出る
・移植量が多く、時間がかかる
(1リットル。6~7時間)
(臍帯血移植(ミニ移植))
・骨髄移植よりは新しい治療方法
(現在は、ほぼ確率されている)
・生着率がやや低い(80~90%)
・再発の可能性が高い
・既に臍帯血バンクに保存された物で、
合う可能性がある(適合基準が緩やか)
・新たなドナーがいらない
・合併症が少ない
・移植量が少ない(25cc。5分以内)
どっちも、いいところも大変なところも
あるんです。
骨髄移植は、ドナーさんという相手がい
るため、自分の予定で移植ができないけ
れど、きつい前処置を(抗がん剤と放射
線)することにより、生着しやすく寛解
しやすい。
それに対して臍帯血移植は、既に臍帯血
バンクに冷凍保存されている物を使うた
め、早く移植ができる。前処置が少し緩
やかで移植量も少なくて済むけれど、再
発しやすい、ということです。
以前、これらの移植には年齢制限があり
ました。今は一応ありませんが、55歳
をこえると、厳しい前処置がある骨髄移
植は難しいそうです。
そう、移植には年齢制限がありました。