僕が妻に送っていたメールや LINEには、
「頑張って」を使っていませんでした。
それは、プレッシャーになると思ってい
たからです。
「今日もひとつ前に進もう」
「小さく一歩ずつ」
「昨日よりも退院の日が近づいたね」
「みんなで待っているよ」
こんな感じの言葉が多かった。
それに対して子どもたちは、
「頑張れ」
「応援しているよ」なんかばっかり。
でもあるとき気がつきました。
おそらくこの子どもたちの言葉を、妻は
プレッシャーに感じたりネガティブに捉
えていない。そう、そのまま元気な気持
ちに変えているんです。
僕は資格や日本の問題点、そして心理学
の本をよく読みます。今回はそこに書い
てあったことに縛られていたのかもしれ
ない。家族であれば、信頼する相手であ
れば、「頑張れ」は問題ない。プレッシ
ャーに感じたり、ネガティブになったり
することもなく、素直に前向きに思いが
伝わるみたいです。
薬疹、つまりアレルギーで、妻の体に赤
いポツポツした発疹が出てきました。
それが次の日には増えていき、全身に広
がっていく。かゆみは背中の一部ぐらい
ですが、見た目的に嫌だとまた落ち込ん
だり、気持ちが萎えていく。
他の病気でもそうなんでしょうが、いろ
んな症状が出たり、使う薬によって副反
応があったりする。特に薬は、使ってみ
るまでその人に合うかどうかが分かりま
せん。まったく何ともない人もいれば、
アナフィラキシーショックで重篤な状態
になることもあるんです。
妻の薬疹は、最近使い始めた強い抗生物
質によるものでした。
実はこの数日前から微熱が出て、体調が
少し悪くなっていたんです。体調が悪く
なって熱が出たということは、何かに感
染しているということ。4人部屋とはい
え無菌室。そんな環境でも何かに感染し
てしまう。それは、白血球の数が通常の
1/6しか無いから。
最初の抗がん剤治療がうまくいく確率は
約50%でした。それが効かなかったか
ら白血球の数が増えないままです。常に
何かに感染する恐れがあるんです。